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07.3.19








第一回青空塾セミナー開催報告
―より善き矯正歯科医を目指して、国境、大学、年齢を越えて―

 より善き矯正歯科医を目指す若者のための第一回青空塾セミナーの報告をします。
 セミナーは、美しい渓谷を見下ろす定光寺駅に近い愛知県研修センター(サンパレア瀬戸)にて、2005年11月3,4,5日の3日間開催されました。
歯科矯正学の分野においては、古くから種々の診断および分析法、治療法が存在するため、大学によって採用する方法が異なっていたり、所属するスタディグループによって治療法が異なっていることもあります。
そんな中で、新しい方法が次々と紹介されているため、ときには臨床の現場で混乱を生じることがあります。また、これから研鑽を積もうとしている若い先生方においては、今後の進むべき方向に迷いを生じることもあるように見受けられます。
 そこで、我々青空中抜き研究会は、大学、スタディグループの垣根を越え、さらに日本の枠を超えて、老若男女が一同に会し、より善き矯正治療について自由に討論し研鑽する場を提供することを目的としてこのセミナーを開催しました。

 トップダウンではなく参加者が積極的に発言することを大切にし、英語でのコミュニケーションを試みるという新しい形のセミナーを目指しました。  内容紹介の前に、青空中抜き研究会を紹介させていただきます。本研究会は、より善き矯正歯科界を夢見る6人で2004年10月に発足しました。
“青空”は、文字通り青空のようにどこまでも上を目指して進歩を続けたい。そして、中抜きは、子どもに対する親の立場ではなく、お爺ちゃんお婆ちゃんや叔父さん叔母さんのように、ちょっと離れた立場の者同士が自由に交流しあうことにより、いつもと違った何かを求めていきたい。という願いを込めて、飯田益雄先生の論文(科学技術政策断想―その11、SCIENTIA、2003: 36: 23-29)から名づけました。
 セミナー開催は、研究会の一部であるEducation Functionの一環です。  ▲top


 それでは、韓国、中国、メキシコからの海外組みも合わせて、人里離れた研修センターで31人が寝食を供にし、夜は酒を酌み交わしながら討論しあった3日間を紹介します。
 第一日目は、まず、伊藤学而塾長から「青空塾にかける夢」と題して、セミナーの主旨と若手への期待が述べられました。アメリカのレジデントによるGORPが紹介され、いずれは日本でも、若者が主体となって開催できるようになることが夢であると励ましの言葉で開幕しました。

 続いて、渡邉先生が、「再治療例から学ぶこと」と題して、35年の臨床歴を通して若者へメッセージを届けました。   ▲top



 その後は、Univ. of the PacificのHeon Jae Cho 先生から、アメリカの大学の卒後教育システムについての紹介をしていただきました。2年間に、最も基本的なノントルクブラケットによる治療から、ストレートアーチワイヤーのテクニック、さらに今話題のインビザラインや矯正用インプラントによる治療までの講義が行われるそうです。それと平行して、常勤の指導教官の他に、開業医が非常勤で臨床を教えるシステムがあり、学生はそれぞれのテクニックを得意とする先生に自由について勉強できるとのことでした。
 学生はカリキュラムの充実度によって大学を選び、さらに先生をも選び、より広い角度から自由に矯正を学べる気風に誰もが新鮮さを感じました。  ▲top



 夜は、懇親会、2日めから始まるグループ討論に備えてグループ分けのためにくじ引きを行った頃から、大学間の垣根が解け始め、さらに、中国とメキシコの大学事情も紹介された頃には、国の垣根も崩れてきました。

 二日目からは、今回セミナーのテーマであるII級症例について様々な方法で検討し合いました。まず、前述のCho先生と北京大学のWei先生の講義と質疑応答がされました。Cho先生の講義では、正常な顎の成長パターンと介入後のパターンを比較するというエビデンスに基づいたクリアーな解説が印象的的でした。
 午後は瀬戸市にある窯垣の小径へエクスカーションをはさんで、あらかじめ準備しておいた2症例について、どう診断し、どう治療していくか、グループ議論し発表し合いました。この頃から、大学間による差、所属する診療所やスタディグループによる差を感じ始めたようです。その後は、参加者全員に持参してもらったII級お悩み症例について討論しました。今度は、差はあるものの、悩みは同じという共感も出始め、討論は一層盛り上がっていったようです。
 夕食後は、ワイワイルームで、お酒を片手にわいわいがやがや。症例をいっぱい詰め込んだパソコンの周りで、なんだかんだ話あっているグループ。出入り自由のバーカウンターを囲んで、症例お悩み相談がいつの間にか結婚お悩み相談になっているグループ。インプラントアンカーについて真剣に話しあっているグループなどなど、老若男女が大学、国を越えて、楽しいひとときを過ごしました。 
  






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 最終日は、「これってホント?」というタイトルの元に、浅井先生から、若い頃から縛られてきたドクマが、臨床経験を重ねた今、縛られる必要のなかったものもあるのではないか。という問題提起がなされました。
伊藤先生からも、生理的歯の近心移動の語源について、突き詰め続けて発見出来た時の喜び、不思議に思ったことを解き明かし続けることの大切さをお話いただきました。シニアならではのお話を、若手は興味深く聞き取ってくれたようです。
 前日のお悩み相談のグループ代表者による発表では、歯肉退縮、楽器奏者、無呼吸症候群患者、鋏状咬合、インプラントアンカー、側方歯開咬など、様々な問題が挙げられ、有意義な場となりました。最後に、島田正先生から受賞されたすばらしい症例を紹介いただき、みんなで見入りました。 
 アンケート調査では良かったという評価を多くいただき、来年も参加したい。企画に加わりたい。などという抱負、まじめに勉強しようとすればするほど、ひとつの方法に縛られそうになる自分にとって、他の考え方に触れることができたことは良い経験だったという感想。
英語については、苦手だが良い方向であると思うという前向きな意見などが寄せられました。企画側の私たちも学ぶことが多く、至らない点もあったと思いますが、第一回青空塾セミナーの目的はほぼ達成されたと思っています。ありがとうございました。
          




第3回青空塾は、2007年12月2、3、4日に、大阪で、開催します。
第3回青空塾の詳細


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